研究課題/領域番号 |
16K04026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小松 丈晃 東北大学, 文学研究科, 教授 (90302067)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 無知 / 想定外 / リスク / 社会システム論 / ガバナンス / 社会システム理論 / 戦略的無知 / リスクガバナンス |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、東日本大震災後の状況を念頭におきながら、無知の社会学の基本的視座を構築することである。無知の社会学のための基礎的枠組みとしてはベックらによる無知概念の三次元論が幅広く用いることのできる有益な提案であると言える。このうち意図的次元は、戦略的無知と深く関係しているが、本研究ではこの戦略的無知論に基づきながら、震災後の動きについて分析を行い、政治的・経済的根拠により「無知」が「構築」されていくさまを明らかにした。さらに無知をめぐる争いとでも言いうる状況を念頭におくと、リスクの「区別」に基づくリスクガバナンス論も、誰がいかにしてこの区別を行うのかに関する十分な検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東日本大震災以後頻々と語られた「想定外」の問題にいかに接近するかは、学術的にもまた社会的にも不可欠の課題であるにもかかわらず、これまで社会学では十分に取り組まれてこなかった。本研究は「無知」という不在の対象に接近するための視座を切り拓くという独創性を有する。またこの作業は、社会学の学説史研究にも大きな貢献をなしうるものと期待できる。無知概念を軸にした社会学史の整理・総括は従来殆ど試みられてこなかった。さらに本研究では、無知の問題を視野に入れつつリスクガバナンス論の検討も行ったが、これは3.11以後のリスクガバナンスの枠組みを構想するための基礎的作業という意味で社会的に意義あるものといえる。
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