研究課題/領域番号 |
16K04041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
田中 滋 龍谷大学, 社会学部, 教授 (60155132)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 河川政策 / ナショナリゼーション / 省有化 / 藩閥 / 中央-地方関係 / 公-共-私 / 消費社会 / 社会変動 / 河川 / 繋がりと分断 / ダム / 水害 / 受益-受苦 / 熊野詣 / 宗教 |
研究成果の概要 |
明治国家が、西欧先進国家の仲間入りを果たすために近代化を推進しようとしたとき、河川や森林は省庁によって管理されることになった。その省庁は、藩閥勢力がそこに拠点を置いた結果、非常に強いセクショナリズムで特徴づけられることになった。河川のように多様な機能を担う重要な対象の場合には、関係各省庁がその管理権をめぐって対立することになる。河川の「省有化」を目指しての競合である。 本研究では、「省有化」概念が、河川をめぐるさまざまな出来事の分析に有効であるばかりではなく、日本の国家主義の特徴、自立的個人の形成阻害など、さまざまな社会現象を説明するのに有効な概念であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本のセクショナリズムは、他国と比べて格段に強いが、その歴史的背景についてはほとんど論じられてこなかった。本研究は、その歴史的背景を藩閥による「廃藩置省」とも呼べる現象に求めた。日本は、明治維新を経て中央集権的国家となったが、藩閥勢力が各省庁をその拠点としたことで、「省庁分権」的国家となった。省庁分権の下では「省有化」が進行する。省有化は、人や組織、モノや自然などをその省庁の支配下に置くことである。 本研究は、この省有化概念によって、河川をめぐる紛争や社会運動を分析したばかりではなく、日本型ファシズムや棄民の問題、さらには消費社会化にともなう政治構造の変動などの分析への新たな視点を提供した。
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