研究課題/領域番号 |
16K04132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
桃原 一彦 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (40369202)
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研究分担者 |
池田 緑 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (40337887)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 構造的差別 / 日本社会/沖縄社会 / 了解ー対立 / 権力関係 / 基地問題 / 県外移設論/引き取り論 / 差別・排除 / 不和 / 受益圏/受苦圏 / 受益圏・受苦圏 / 沖縄 / 基地引き取り運動 / 県外移設論 / 自己決定権 / ポストコロニアリズム |
研究成果の概要 |
本研究は、沖縄の基地問題をめぐる日本と沖縄との社会的な権力関係について、理論的かつ実証的な分析を行った。具体的には、差別理論等を扱った文献から論点の整理を行い、実証的な分析については沖縄と日本の大学生に対するアンケート調査、反基地運動等の運動家に対する聞き取り調査を行った。その結果、沖縄と日本との間において基地問題をめぐる認識の相違や意思伝達の齟齬が見られることが質的データから一定程度見受けられた。とくに、運動家の認識において、基地問題を「構造的な差別」の問題として捉えうるかという点について明確な相違が見られた。ただし、若年層の意識に関する量的調査の詳細な分析については今後の課題となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、沖縄の基地問題を、安全保障や振興政策など政治・経済的な政策や制度の問題ではなく、構造的差別の問題として焦点をあて、人々の社会関係や意識構造の文脈で解釈し直し、実証研究を試みたところにある。これは、差別問題等の分析のみならず、社会的行為における権力関係分析の理論的一般化に資するものである。 その社会的意義は、日本と沖縄との間に新たな議論と関係構築の方向性を開いたといえる。それは政治・経済的な政策面への視点と、社会関係や意識構造への視点との往還における新たな分析の枠組みの提示となった。よって、社会学のみならず隣接分野の研究水準向上や政策提言等にも資するものである。
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