研究課題/領域番号 |
16K05063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
若山 正人 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40201149)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非可喚調和振動子 / ホイン微分方程式 / 量子ラビモデル / 保型積分 / アペリ数 / 退化スペクトラム / スペクトルゼータ関数の特殊値 / スペクトルの熱核の解析的公式 / 表現論 / 数論 / 量子相互作用 / スペクトルゼータ / 非可換調和振動子 / 群論 / 数理物理 |
研究成果の概要 |
量子ラビ模型と非対称量子ラビ模型におけるスペクトル構造を完全に記述し、退化固有値・非退化固有値の表現論的特徴付けも行った。非可換調和振動子のスペクトルゼータ関数の特殊値から現れるアペリ数の類似に関する研究を行い、いくつかの顕著な合同関係式を得た他、興味深い予想も提出した。また、s=4におけるそれらの母関数の保型積分の一般化による表示も示し、関連するコホモロジー群や、Hecke作用素についても調べた。量子ラビ模型の熱核の解析的公式を得た。具体的には、近藤効果の相関関数と同様、熱核が逐次積分の無限級数で表示されるというものである。これにより分配関数、スペクトルゼータ関数の明示的解析接続公式も従う。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で扱われた量子ラビモデル及び非対称ラビモデルは、回路量子電磁力学における超伝導人工原子と電磁場の相互作用、とくに、ゲート型量子計算機の構築において不可欠なエンタングル状態実現に必要なこれまでにない強結合を生む実験結果を理論的に支えるものである。本研究では、それらのモデルの退化性を含めたスペクトルの完全な記述に加えて、量子ラビモデルの熱核の解析的公式の導出という大きな成果を得た。また、非可換調和振動子のスペクトルゼータ関数の特殊値の研究では、保型積分の拡張理論と関連して、近年保型表現論で注目されている概保型形式の理論に迫ることとなった。両者ともに極めて高い学術的意義を持つものと考えている。
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