研究課題/領域番号 |
16K05338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
仁尾 真紀子 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 上級研究員 (80283927)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 量子電磁気学 / 異常磁気能率 / 電子 / ミュオン / QED / 電子異常磁気能率 / 微細構造定数 / ミューオン / ファインマン図 / 数値積分 / 素粒子論 / 計算物理 |
研究成果の概要 |
電子一個の持つ磁気モーメントの大きさを表すg因子を、量子電磁気学理論(QED)に基づいて計算する。g因子の値からディラック方程式からの予言である整数値2を引いた数をg-2と呼ぶ。この電子g-2の値は真空の揺らぎ表し、QEDの摂動計算を高次まで行うことで高精度に予言値を得ることができる。 本課題の最大の成果は、摂動10次の項について、私たちの過去の計算結果と、2019年に発表された他グループの結果についての比較検証を行ったことである。両者の答えの差が数値積分計算に潜むバイアスであることまでは突き止めたが、正しい数値については未だ確定していない。今後の研究課題とする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の物理学では、物質のミクロでの究極の姿が素粒子である。そして素粒子間の相互作用により、観測される素粒子の性質が発現する。電子の持つ磁気の大きさを示すg因子もその一つだ。電子は、質量が最も軽い荷電レプトンであるため、電子g-2の精密測定が可能で、0.1ppbの精度で決定されており、さらに一桁以上の改良が計画されている。 本研究では、この電子g-2を理論で計算して同等以上の精度を達成しようとするものだ。摂動計算の高次項の確定には10年単位の時間がかかるが、検証の新手法を確立し実施したことで、摂動10次項の確定へと一歩近づいた。これにより、実験と理論の更なる高精度でのテストを実現に導いた。
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