研究課題/領域番号 |
16K05429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野地 尚 東北大学, 工学研究科, 助教 (50180740)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 超伝導 / インターカレーション / FeSe / 遷移金属ダイカルコゲナイド / FeSe超伝導体 / 超伝導材料 |
研究成果の概要 |
鉄系超伝導体FeSe(超伝導転移温度Tc = 8 K)にアルカリ金属とエチレンジアミンまたは2-フェニルエチルアミンをコインターカレートすることで、大きなFeSe層間距離を持つTc = 39 - 45 Kの物質合成に成功した。このTcの上昇は、ネスティングの改善によるスピン揺らぎの増強によるものであり、超伝導電子対形成にはスピン揺らぎが寄与していると結論した。 他方、遷移金属ダイカルコゲナイドMoSe2,TiSe2において、コインターカレーションを用いて多くの新規超伝導体の合成に成功した。この超伝導の発現は、状態密度の上昇とフォノンのソフト化による電子格子相互作用の増大が寄与していると結論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、層間に金属と有機分子をコインターカレート(共挿入)することにより、キャリア濃度と次元性を変化させた多くの新規超伝導体を合成し、その物性を調べたものである。その結果、超伝導発現機構がスピンの揺らぎであるFeSeは、二次元化によりフェルミ面のネスティングが向上し、超伝導転移温度Tcが大きく上昇した。また、電子格子相互作用が超伝導発現に寄与している遷移金属ダイカルコゲナイドでは、二次元化によるTcの上昇は小さく、キャリア濃度にTcは依存することが分かった。 このように、超伝導発現機構が異なる物質に対するコインターカレーション効果を調べた研究は皆無であり、学術的意義は大きいと考えている。
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