研究課題/領域番号 |
16K05509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
高橋 浩 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (80236314)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | コレステロール / リン脂質 / 膜物性 / 生体膜モデル系 / ホスファチジルコリン / 薬剤代謝 / 生体膜 / シトクロムP450 / 薬物代謝 / ホスファチジルエタノールアミン / ホスファチジルグリセロール / 細胞膜 / 生物物理 / 生体分子 / 脂質 |
研究成果の概要 |
生体膜におけるコレステロール(Chol)含量は一定でなく、それぞれの膜ごとで違いがある。本研究では薬剤代謝プロセスに注目して、このChol含量差の意義を探求した。薬剤の多くは、肝細胞の小胞体膜に存在する膜タンパク質シトロクロムP450(CYP)で代謝されが、先行研究は、薬剤が、小胞体膜の疎水性内部にまず侵入する必要性を報告している。本研究で、我々は、Chol含量が高いモデル生体膜は、小胞体膜を模倣したChol含量が低い膜と比較して、CYP基質薬剤クロルゾキサゾンの膜への結合・侵入を阻害することを見出した。この結果は、Chol含量差は薬剤代謝にとって意味がある可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究から、コレステロールは、脂質膜の力学的強度の増強や流動性を調整し、さらに、ラフト・ドメインと呼ばれる細胞内情報伝達で重要な役割を果たすと考えられている脂質ドメインの形成にとって不可欠であることが知られていた。これらのコレステロールの生体機能に加えて、本研究の結果は、シトクロムP450が関与する薬剤代謝過程においても、コレステロールが重要な役割を果たしている可能性が示めされた。このような指摘は本研究が初めてのものである。 本研究から結果は、小胞体や形質膜に似せた膜を作り、それぞれの膜系へ薬の侵入度の測定から、新規薬物の副作用度を評価することが可能であることが示唆される。
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