研究課題/領域番号 |
16K05865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
グリーン・環境化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高木 秀夫 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 准教授 (70242807)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イオン液体 / 均一系電子移動反応 / 溶存状態 / 光電子移動 / 光電子移動反応 / 誘電特性 / Pekar因子 / コバルトセオウルクレート / 溶媒緩和 / MSA / 溶媒効果 |
研究成果の概要 |
3種類のイオン液体中において、亜鉛ポルフィリン錯体の光励起状態から籠状配位子を有していて安定なコバルト(III)セプルクレート錯体への外圏型電子移動反応過程を観測した。反応速度定数は粘度に依存したが、理論が予測するよりも大きな傾きを示した。このことから反応化学種の周囲のイオン液体がバルクよりも大きな誘電率を呈することがわかった。電子移動反応に関するMarcus理論とRatner-Levinの交差関係とを駆使して、自己交換過程に対応するPekar因子を分離し、詳細な理論的解析を行った。その結果、イオン液体の陽イオン部位と陰イオン部位は溶存イオンの周りで解離していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオン液体は、その発がん性に対する危惧を除けば極めて有用な溶媒であると考えられている。常温で液体の塩であるため真空との界面を有することのほかに、無電荷の物質と殿下を有する物質を共に溶解する性質があるため、リサイクルが容易な環境に優しい合成溶媒として、あるいはイオンの移動を目的とした電池材料として注目されている。しかし、その物理的/化学的挙動はほとんどわかっていない。本研究では、イオン液体中において世界で初めて「遷移金属錯体間の均一系電子移動反応」を観測することに成功し、溶存イオンの周りのイオン液体が解離しており、その結果溶存イオンの周りで局所的な高誘電率場を形成していることを明らかにした。
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