研究課題
基盤研究(C)
本研究ではウイルスベクターを用いた遺伝子導入法をマカクザルに適用し、機能性のタンパク質を神経細胞に発現させ、遺伝子導入した神経細胞の機能を操作し、特定の神経経路の機能を明らかにすることを目的とした。中脳上丘から視床枕への神経経路を選択的に遮断することにより上丘-視床枕経路が盲視の視覚情報処理に重要であることを示し、成果を論文として発表した(Kinoshita et al., Nature Communications (2019) 10(1), 135)。
脳機能を解明するために齧歯類などの小型モデル動物などに適用され多くの重要な成果を挙げている遺伝子導入による研究手法を、本研究ではよりヒトに近い霊長類(マカクザル)の脳に応用し、その視覚情報処理経路に関する新しい知見を得た。本研究の成果は単に新しい知見を加えたことのみならず、霊長類の脳機能の操作可能性を示すことで、将来的にはヒト脳疾患の新しい治療法開発への示唆を与えることが期待される。
すべて 2019 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
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