研究課題
基盤研究(C)
ヒトは進化過程で巨大な脳を獲得し、高度な精神活動を可能にした。哺乳類大脳皮質神経細胞は脳室帯あるいは脳室下帯(SVZ)で産生されるが、ヒトを含めた霊長類ではSVZ内にbRGと呼ばれる特殊な神経幹細胞が著しく増加しており、圧倒的な神経細胞の産生を可能にしている。我々はbRGの産生調節に関わる分子としてJA1を同定した。本研究課題では(1) JA1はbRG産生の正の制御因子であること、(2) JA1はbRGそのものに発現すること、(3) JA1の霊長類における発現はマウスに比較して高く、これは転写調節領域の転写活性の違いによることを明らかにした。
本研究課題では、ヒトの高度な精神活動の基盤となる巨大脳がいかに進化的に獲得されたかを探索した。先行研究では進化的にヒトで新たに獲得された遺伝子の関与が示唆されたが、本研究ではアミノ酸をコードしない転写調節領域の進化の重要性を解明した点でユニークである。また、本研究で注目したJA1転写調節領域にはヒトの小頭症原因遺伝子の結合配列があり、今後、神経発達障害の病態理解への貢献が期待される。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 2件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件)
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