研究課題
基盤研究(C)
分裂酵母をモデル系として,細胞外栄養環境の情報を,プロテアソーム系に伝達し連係させるシグナル伝達ネットワークの解明を目標とした。開始当初から,進化的に保存されたGreatwall kinase(Gwl)/α-Endosulfine(Ensa)-PP2A経路が,上の役割を担う可能性が指摘されていたため,これらに注目した。まず,分裂酵母ではGwl/Ensa経路についての報告がなかったため,この経路を構成する因子群を明らかとし,生理機能とあわせて学術論文として発表した。また,栄養環境とプロテアソーム,あるいはその局在制御系を連係するのがGwl/Ensa経路であるということを示唆する結果が得られた。
プロテアソームに依存したタンパク質分解は,細胞周期やシグナル伝達などの真核生物に普遍的な生命現象に関与しているにとどまらず,老化や寿命への関連も指摘され注目されている。また,栄養状態や代謝が老化や寿命に大きな影響を持つことも広く受け入れられている。本研究は,栄養とプロテアソーム周辺を結びつける細胞内のシグナル伝達ネットワークに焦点をあわせている。また,実験材料は菌類である酵母であるものの,注目している分子群はいずれもヒトまで保存されたものであり,基礎医学分野への将来的な情報の提供という意味合いで学術的・社会的意義がある。
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