研究課題
基盤研究(C)
進化的に保存された核因子Rif1は、G4を認識・結合し、核膜近傍にクロマチンに複製開始に抑制的なクロマチンドメインを形成する。G4はHEATリピート構造を有するN端、及び構造不明のC端に独立のG4結合ドメインを有する。また、8-16量体を形成する。Rif1は、パラレル型の多量体のG4に選択的に結合し、同時に複数のG4に結合する。複製抑制能を消失した2種類の点変異体L848S,R236Hを同定した。L848Sは染色体結合能を喪失しているが、R236Hは結合できる。これらの結果に基き、Rif1はビーズのような多量体を形成し多数のG4を束ねて、クロマチンループを形成するというモデルを提唱した。
核内クロマチン構造は、複製、転写、組換え、修復等染色体の維持や機能発現と密接に関連する。TAD(Topologically Associated Domain)は、発生、分化の過程での転写制御や、DNA複製の時空間制御に関連することが明らかとなっている。我々はRif1という核因子がこの過程の制御に重要な役割を果たすことを見出した。本研究により、Rif1による染色体高次構造形成における、G4の重要性、及び、関与するRif1上の機能ドメインが明らかとなった。本研究成果は、これまで未知であったG4の生物学的意義の一端を解明するとともに、G4-Rif1を用いた染色体高次構造の人為的操作の可能性を示す。
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