研究課題/領域番号 |
16K07486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
林 文男 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (40212154)
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研究協力者 |
ファン クオク トアン
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 精子競争 / 配偶行動 / 昆虫 / 性選択 / 交尾器 / アロメトリー / 形質置換 / 精子置換 / 行動生態学 / 進化 |
研究成果の概要 |
ミナミカワトンボ科Euphaea属のオスの交尾器は,先端部から左右に突出する翼状構造を有する.翼状構造はスリット状の膜構造で,一方の先端部を赤インクに触れさせると,インクがスリット内に吸引される.左右の翼状構造は中央部で連結しており,片方から他方へも吸引される.メスの精子を蓄える器官は左右非対称であり,オスの交尾器の左側の翼状突起から既交尾オスの精液が吸引される可能性が高い.野外でメスを見つけることは難しく,現時点では少数例の観察に基づいているが,確かにオス自身の射精が起こる前に交尾を中断させると,メスの精子貯蔵器官内の精液量が減少した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昆虫類の交尾器は形態だけでなく機能的にも多様である.精子競争を避けるために,オスが交尾器を使ってすでにメスの体内に貯えられている他オスの精子を掻き出してから,自分の精子を渡すという「精子置換」という行動もオスの交尾器の機能の一つである.精子置換は,これまで,オスの交尾器にある微細な「棘」で精子を掻き出すか,交尾器の先端にある「かえし」構造で精子を掻き出すとされてきた.本研究において示唆された「毛細管現象を利用した精子の掻き出し」は,新たな精子置換モデルとして,今後この分野で大きな成果となるだろう.
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