研究課題/領域番号 |
16K07496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
北山 太樹 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (20270407)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 小笠原諸島 / 海藻相 / 浅所性 / 深所性 / 藻類 / 小笠原 / 植物地理学 |
研究成果の概要 |
小笠原諸島の海藻相の特殊性を明らかにするために浅所と深所の両方で採集調査を行い、浅所(潮間帯及び低調線2m以深)から約30種、深所(水深40m以深)から約20種の海藻を得た。浅所性の海藻種は日本列島側にも分布するのに対し、深所性では日本列島に報告のないものが多かった。アオサ藻のチクビミル(新称)、サキボソシオグサ(新称)、紅藻のベニヤブレガサ(紅藻)等は日本新産種である。また、弟島沖56-63mの海底から褐藻ケヤリモ目の新種ウミタンポポ(新称)を採集した(記載論文を準備中)。小笠原の海藻相は浅所と深所で異なるメカニズムによって成立し、従来の日本海藻相の区分にあてはまらないことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小笠原諸島の海藻相は、これまでながく琉球列島と同様に日本列島の一部(日本海藻相5区分の第3区)としてみなされてきたが、本研究により浅所と深所で異なる由来をもつ特殊な海藻相であることが示唆され、海藻地理学上、日本列島に属さない第6の区として位置づけることが妥当と考えられた。同諸島から得られたチクビミル(新称)、サキボソシオグサ(新称)、ベニヤブレガサ(新称)などの日本新産種や、ウミタンポポ(新称)のような奇妙な形態をもつ新種の存在は、日本の海域にまだ未知の海藻がいることを物語っている。特にウミタンポポの発見は朝日新聞(平成29年2月26日)の社会面でも報じられ、少なからず社会的意義があった。
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