研究課題/領域番号 |
16K07497
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
|
研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
齋藤 寛 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (00259996)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 軟体動物 / 尾腔類 / 発生 / 系統 / 個体発生 |
研究成果の概要 |
軟体動物の系統関係や共通祖先の形態推定を目的として、軟体動物尾腔綱の一種、ミドリマルアシウミヒモの発生について研究を行った。幼生は受精後5日目に変態を開始した。成体の体表を被う石灰質の鱗片は変態開始から10日を経ても出現せず、繊毛環を失った後はナメクジ状の幼生となった。このような変態開始後の幼生形態は本研究で初めて明らかとなった。尾腔類と溝腹類は互いに異なるタイプの幼生をもつが、神経系の形成は1対目の神経索が早期に形成されることで強い類似性が認められた。また後期トロコフォアの体壁下に形成される連続した涙滴型構造物は多板類との近縁性を示すものかもしれない。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
系統発生を推定する上で重要な情報をもたらす個体発生の研究は多くの動物について行われているが、尾腔類については1編の論文しかなく、変態から成体への発生過程については、情報が欠如していた。本研究では尾腔類の1種の産卵・受精から変態後約10日目までの発生過程を観察し、本種がこれまで軟体動物のなかでは知られていなかった発生過程をもつことを見出した。観察した幼生の形態は上記論文の1種や、近縁と考えられている溝腹類のものと比較した結果、重要な類似点と相違点が認められた。これらの情報は軟体動物内、あるいは軟体動物と他の冠輪動物との間の系統関係を推定するための新たな情報として意義のあるものと考えられる。
|