研究課題/領域番号 |
16K07500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 大阪市立自然史博物館 |
研究代表者 |
河上 康子 大阪市立自然史博物館, 学芸課, 外来研究員 (70748871)
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研究協力者 |
山崎 一夫 大阪健康安全基盤研究所
大橋 和典 住友化学株式会社, 健康・農業関連事業研究所
中浜 直之 兵庫県立大学, 兵庫県立人と自然の博物館
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 遺伝的集団構造 / テントウムシ科 / 分布北上 / ダンダラテントウ / 斑紋型多型 / 地理的変異 / 気候温暖化 / 昆虫 / 遺伝的多様性 |
研究成果の概要 |
ダンダラテントウは赤道地方から中緯度地域に広く分布し,1910年-1990年にかけて,気候の温暖化に伴い九州地方から関東・北陸地方へ分布を拡大した.本種は鞘翅の斑紋型に黒色から赤色の多型があり,分布北限に近い高緯度ほど黒い型が多く,低緯度ほど赤い型が多いクラインを示す. 本研究では本種の21地域232個体のミトコンドリアCOI領域620bpを解読し,分布北限地域では遺伝的多様度がやや減少していること,遺伝的集団構造は2つの系統があることを解明した.ふたつの系統のうち片方は古くから分布している琉球以南で割合が高く,もう片方の系統は分布北上後の本州での割合が高かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究であつかったダンダラテントウは,近年の過去100年に分布を北上させて定着したことが明らかである.ゆえに,ごく部分的な遺伝子解析ではあるが,本種が新たな地域で分布を定着させたのちの,遺伝的集団構造が,古くから分布していた地域とどのように異なるかを連続した地域でリアルタイムに検証できたという点において意義がある.過去100年の気候温暖化により分布を北上させたと思われる本種の遺伝構造と集団動態を検証することは,今後の気候温暖化にともないあらたに侵入してくる可能性を持つ南方系生物の,侵入後の集団動態を予測するためのデータとして重要であると考えられる.
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