研究課題/領域番号 |
16K07505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
畑瀬 英男 東京大学, 大気海洋研究所, 学術支援職員 (10512303)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ウミガメ / 生活史 / 多型 / 安定同位体分析 / 餌場 / 子供 / トレードオフ / 産卵場所選択 / 繁殖特性 / 卵特性 / 成体雌 / 繁殖経験 / 季節変異 / 年変異 / 回遊 |
研究成果の概要 |
アカウミガメの同一産卵群内には、浅海と外洋という大きく異なる摂餌域を利用する個体が共存している。浅海摂餌者は外洋摂餌者よりも2.4倍多く幼体を産出していることと摂餌者間での遺伝的構造の欠如から、両型は環境的に維持されていると強く示唆されている。しかし外洋摂餌者の産出する子供の生残率が2.4倍高ければ、適応度が釣り合うため、両型は遺伝的に維持されている可能性がある。本研究は、子供の生残率に関わる活動性や成長速度、及びこれらに大きな影響を及ぼす成体雌の選ぶ孵化環境に、摂餌者間で有意な違いがないことを示し、ウミガメ類の代替生活史が環境的に維持されていることをほぼ結論づけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、アカウミガメの同一産卵群内にみられる利用する餌場の違い(浅海か外洋か)は、遺伝的なものではなく、環境的なものであることがほぼ確実となった。このことは、環境に応じて柔軟に生活を変化させる能力を獲得することでウミガメは一億年を超える進化史を生き延びてきたことを強く示唆する結果といえる。この世になぜ多様な生物が存在するのかの理解が深まった。
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