研究課題/領域番号 |
16K07514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
河村 功一 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (80372035)
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研究分担者 |
宮崎 多惠子 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (60346004)
小林 秀司 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (50260154)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 定着成功 / 感覚適応 / 創始者効果 / ゲノム解析 / 局地適応 / 侵略的外来種 / 遺伝的多様性 / 比較解剖 |
研究成果の概要 |
特定外来種ヌートリアの日本における定着成功を種としての生物学的特徴と侵入時の創始者集団が持つ遺伝的特徴の2点から探ることを目的とし生理,行動,遺伝の3点から解析を行った.本種は他の齧歯類と比べ視覚は退化的であったが,聴覚と嗅覚は発達していることが明らかとなった.聴覚の発達は個体間での音声コミュニケーションに対応し,視覚の退化と嗅覚の発達は水棲適応との関係が覗われた.マイクロサテライトDNAにおいて集団間で遺伝的多様性に差は見られたものの主要組織適合遺伝子複合体においてはこうした違いは見られず,定着成功における機能的遺伝子の多様性の重要性と安定化淘汰の存在が考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりヌートリアの水棲適応の実体が明らかにされると共に,分子遺伝学的に見て日本におけるヌートリアの定着成功は導入時の遺伝的多様性(特に機能的遺伝子)の高さが大きく関係している事が考えられた.また,ヌートリアは視覚が退化的であるのに対し聴覚・嗅覚は発達し,個体間での音声コミュニケーションを行うといった行動生態的特徴も明らかとなった.こうした知見は現在課題となっている本種の効率的駆除・防除技術の開発において大きく貢献することが期待される.
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