研究課題/領域番号 |
16K07586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松倉 千昭 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60361309)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 果実 / トマト / デンプン / AGPase / 糖 / ペクチン / ガラクツロン酸 / クチクラ / 細胞壁 / 果皮 / 果実硬度 / 組織強度 |
研究成果の概要 |
トマトの緑熟期果実に蓄積したデンプンの代謝経路およびその利用形態を解明するため、デンプン蓄積抑制形質転換体を供試して果実成分、細胞壁および組織強度に注目して解析を行った。その結果、デンプンは果実成熟期間中、可溶性糖だけでなくペクチンの主成分であるUDP-D-ガラクツロン酸に代謝されていることが示された。また、デンプン蓄積が抑制された形質転換系統において赤熟期の果実硬度が減少し、果皮クチクラの量が減少していることが明らかとなった。これらの結果より、デンプン分解産物が赤熟果実において細胞壁などの構成多糖や果皮クチクラの生合成に利用されていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デンプンはそれ自体食味を持たないため、従来の果実生理学研究では殆ど注目されておらず、漠然と、成熟期に可溶性糖に代謝される、と説明されてきた。本研究ではデンプン蓄積欠損遺伝子組換えトマトを用いて、果実におけるデンプンの代謝的役割を解析し、デンプン分解産物が成熟中に可溶性糖だけでなくペクチンやクチクラ生合成に関与し、果実硬度にも影響するという結果を得た。デンプンから細胞壁生合成やクチクラに向かう代謝経路はこれまで報告されておらず、果実生理学分野では大きな学術的意義を持つと考えられる。また、食感、果実硬度など商業的価値を持つ形質のメカニズム解明にも資することから相応の社会的意義を有すると考えられる。
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