研究課題/領域番号 |
16K07851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
吉永 龍起 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (30406912)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ニホンウナギ / 接岸生態 / 塩分適応 / グリコーゲン / シラスウナギ / 塩類細胞 / 絶滅危惧種 / クロコ |
研究成果の概要 |
ニホンウナギが河川に加入する時期と量,および質を評価する手法の確立を目的とした.接岸は概ね12月から4月にかけてで,初夏の来遊は2年に1度の頻度で見られた.2017年級群は3月のごく短期間に集中して接岸する特異なパタンを示した.様々な生活史段階で塩類細胞の相対面積を比較したところ,環境塩分を反映して変化することがわかった.接岸時期を通して塩類細胞の体積は一定であったものの,同時に接岸した群は様々な大きさの細胞を持つ個体からなり,こうした個体差が広い塩分環境を利用する回遊多型をもたらしているものと考えられた.グリコーゲン含量は接岸時期が遅くなるほど少なくなり,質の評価指標として有用と考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水産重要種であるニホンウナギの資源は激減しており,早急な保全策の立案が求められている.しかしシラスウナギの漁獲量は信頼度に劣り,資源の動態を把握する上での障害となっている.本研究は科学的な手法で接岸モニタリングを実施し,天然加入が期待される初夏の来遊が2年に一度ほどの頻度で起こることを明らかにした.また,海水から淡水に成長の場を移す際に重要な塩類細胞の大きさには個体差があり,これによりニホンウナギは幅広い塩分環境を利用する可能性を見出した.さらに,生存に重要なグリコーゲン量は接岸時期の終盤にかけて低下することを明らかにし,天然加入と養殖用に使い分けるための質の指標としての有用性を見出した.
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