研究課題
基盤研究(C)
本研究では、根の水分屈性(水分勾配に応答して高水分側に屈曲伸長する能力)を制御するMIZ1の機能を解析し、また、水分屈性におけるオーキシンと根冠の関与を植物種間で比較した。その結果、シロイヌナズナでは、MIZ1が伸長領域の皮層で機能すること、その水分屈性がオーキシンおよび根冠に非依存的に発現することがわかった。ミヤコグサの水分屈性もオーキシン非依存的に発現する一方で、イネ、エンドウ、キュウリでは、オーキシンが水分屈性を制御するものの、その水分屈性は根冠非依存的であることがわかった。このように、水分屈性が重力屈性とは異なる新奇メカニズムによって制御されることが明らかになった。
本研究成果は、新奇の成長制御メカニズムを明らかにし、植物の感覚生物学にブレークスルーをもたらしただけでなく、根の水分屈性制御因子の調節によって、植物の水獲得能・効率的な水利用を大幅に改善できる革新的技術開発への糸口を見出した。すなわち、根の水分屈性を制御するユニークな分子メカニズムとその植物種間差は、地球上の半乾燥地や宇宙空間のような閉鎖生態系における植物工場をも視野に入れた技術開発の基盤となり、砂漠の緑化や耕地拡大と増収、さらには制御環境下における効率的植物生産を確保するための独創的かつ革新的な技術に発展する可能性をもたらした。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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