研究課題/領域番号 |
16K08034
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
獣医学
|
研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
島田 章則 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (20216055)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 黄砂 / PM2.5 / シリカ / オートファジー / TGF-β / 上皮間葉転換 / 線維化 / サイトカイン / 肺組織傷害 / インフラマソーム / 間質性肺炎 / 修復遅延 |
研究成果の概要 |
地球温暖化・砂漠化亢進に伴い、黄砂・PM2.5の発生頻度が増加し、黄砂・PM2.5粒子の生体への影響が懸念されている。マウス・ラットの肺に黄砂・PM2.5粒子を投与したところ、1. 炎症性サイトカイン(TNF-α)・活性酸素種の放出に基づく急性化膿性肺炎が引き起こされ、2. 低亜鉛状態では、さらに、粒子の生体防御系であるオートファジーがマクロファージ内で阻害され、炎症持続・修復遅延が起こること、3. 結晶シリカ粒子(珪肺症の原因の代表的PM2.5)による肺組織の線維化に、サイトカインTGF-βを介した上皮間葉転換が関与することが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大気汚染物質としての黄砂・PM(浮遊粒子状物質)2.5の細胞・組織傷害の機序として、1. 肺胞壁の異物処理細胞であるマクロファージ内での「オートファジー・エンドサイトーシス・リソソーム系」による粒子処理過程にサイトカイン(TNF-α)・活性酸素種が放出され傷害をもたらすこと、2. 低亜鉛の状態では、オートファジー系の停滞による炎症の持続・修復遅延が起こること、3. シリカ粒子による肺組織の重度の線維化に、サイトカイン(TGF-β)・肺胞上皮の線維芽細胞への変化(上皮間葉転換)が関与すること、が示された。これらの結果は、大気環境の保全や黄砂・PM2.5のモニタリングの必要性を支持するものである。
|