研究課題
基盤研究(C)
本研究における主な発見を以下に記す。1.アルカリ性化剤介入前後における血漿および尿のLC-MS/MSによる尿毒症物質の定量的メタボローム解析の結果、クエン酸Na・K投与群でインドキシル硫酸・パラクレジル硫酸・アルギニノコハク酸の尿中排泄が増加し、インドキシル硫酸の血中濃度が低下した。2.クエン塩Na・K投与によって酸性尿の改善が認められたが、特に早朝尿に比べ随時尿のpH改善が大きいほど腎機能は良い傾向が認められた。クエン酸Na・Kは重曹とは異なりアルカリ性化以外の腎保護効果が期待できる可能性が示唆された。今後の慢性腎臓病の新規治療戦略の骨幹となる可能性が考えられた。
本研究は、アルカリ性化剤は比較的軽症の慢性腎臓病・経度腎機能障害から腎保護効果を期待できるということを実証する目的で行われた。しかしながら、現時点では軽症の腎障害を鋭敏かつ適切に評価できる検査指標はない。本研究ではそのような腎障害マーカの探索も行っている。サンプル保存を維持するため単施設で進められたので、昨年12月で登録患者の検査データの収集が終了した。全研究データはモニタリング・クリーニングなどを経て3月31日に固定された。現在解析中。
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