研究課題
基盤研究(C)
体内時計は、行動や代謝などの多様な生理機能に約24時間の周期変動を作り出す生体の恒常性維持機構である。体内時計は、個体発生に伴い個々の細胞に形成される細胞時計が、光刺激によって組織・器官内で互いに同調すると機能的になる。しかしながら、個体発生に伴う体内時計の形成機構と細胞時計の光同調機構については不明な点が多く存在している。本研究は、哺乳動物と共通の体内時計を有するゼブラフィッシュ稚魚の行動リズムの解析系とゼブラフィッシュ初期胚の細胞時計の可視化系を用いて、発生期に光依存的に細胞時計を組織・期間内で同調させる新規の分子を同定することに成功した。
ヒトならびにマウスなどのモデル生物を用いた解析から、発生期の体内時計の形成不全が乳幼児の発達障害に関連することが報告されている。従って、生物の発生期の体内時計の形成機構の解明を目指す本研究の成果には、小児発達障害の予防や治療ならびに周産期医療の観点から有益な知見を提唱することが期待される。体内時計は、生物の恒常性維持を担う重要な機構であり、その異常は睡眠障害や代謝異常といった様々な疾患につながる。従って、この機構がどのように形成されるかを解明することは、体内時計の異常と関連する様々な疾患の予防ならびに治療戦略を構築する際に重要になると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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