研究課題
基盤研究(C)
非アルコール性脂肪性肝炎では細胞死に陥った肝細胞をマクロファージが取り囲む構造(hepatic crown-like structure (hCLS))が多数認められる。本研究ではhCLSは常在性マクロファージが中心となって形成され、線維化の起点となることを明らかにした。またhCLSを構成するCD11c陽性マクロファージは他の散在性マクロファージとは異なり、特徴的な遺伝子発現プロファイルを有する亜集団であると考えられた。
慢性炎症を基盤とする様々な生活習慣病の病態形成においてマクロファージが重要な役割を果たすことが知られているが、マクロファージは非常に多様性の高い細胞集団であり、最近では病態形成に直接的な役割を果たす「疾患特異的マクロファージ」と理解が求められている。NASHの肝臓におけるCD11c陽性マクロファージは病理学的構造に基づく疾患特異的マクロファージと考えられ、その活性化機構および病態生理的意義の解明により、新規バイオマーカーや治療標的の開発に繋がることが期待される。
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