研究課題
基盤研究(C)
DNAメチル化は、細胞分化、機能を制御する最もよく知られたエピゲノム修飾であるが、末梢B細胞の分化にどのような役割をになっているか明らかではない。本研究において、DNAメチル化を除去するTen-Eleven Translocation (Tet) 分子が、B細胞の過剰活性化抑制を担うことによって、自己免疫疾患発症を抑制していることが明らかとなった。一方、外来抗原に対する免疫応答では、抗体産生プラズマ細胞、高親和性抗体産生を担う胚中心B細胞、または、二次免疫応答時に抗体産生を担うメモリーB細胞の分化、維持に必須の役割を担うことが示唆された。
B細胞は、抗体産生を担い生体防御に寄与する免疫細胞であるが、その制御が適切になされない場合は、自己免疫疾患の発症に寄与することが知られている。本研究によって、DNAメチル化制御因子であるTet分子が、B細胞の不適切な過剰活性化を抑制することにより、自己免疫疾患の発症を防ぐ役割を担っていることが明らかとなった。Tet分子活性の人為的操作によって、B細胞が原因となる自己免疫疾患のみならず、ウィルス、バクテリア感染時のB細胞の活性を制御することで液性免疫応答を調節するための新たな標的としての可能性が示唆された。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
Journal of Experimental Medicine
巻: 215 ページ: 1853-1868
Cell reports
巻: 23 ページ: 2318-2329