研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、イオタ毒素の作用機構を明らかにし、本菌感染症の治療法を開発することである。イオタ毒素のIbは、リポタンパク質受容体で、細胞バリア機能に重要なLSRに結合して作用することを明らかにした。本毒素の細胞侵入は、初期にリソソームのエキソサイトーシスを惹起して、酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASMase)を細胞外に遊離させる。ASMaseが、細胞膜外側のスフィンゴミエリンを分解してセラミド(Cer) が生成する。Cerの蓄積は膜の陥入を誘導してエンドサイトーシスが惹起され、細胞内に侵入することが判明した。イオタ毒素の作用機構の解明から、毒素の作用を阻害する治療薬の開発が可能となる。
本研究では、腸性中毒症の原因である、E型ウエルシュ菌イオタ毒素の病原性発現機構を解明した。学術的意義としては、本毒素の細胞内侵入において宿主細胞のASMase遊離により、細胞膜外側にセラミドが蓄積し、エンドサイトーシスで侵入する。すなわち、このメカニズムは、宿主細胞がもつ膜修復機構を利用して侵入することが初めて明らかとなった。社会的意義として、本菌は、動物(主に家畜)腸性中毒症の原因菌であることから、本感染症の治療には、ASMase阻害剤やエンドサイトーシス阻害剤が治療薬として今後応用が期待されることがあげられる。
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