研究課題
基盤研究(C)
悪性高熱症(malignant hyperthermia、MH)の術前の遺伝子診断に繋がる遺伝子変異と薬物感受性の変化の関連を明らかにするために、MH患者の症例報告における1型リアノジン受容体(RyR1、Ca2+放出チャンネル)の遺伝子変異体を作製し効率的に発現する細胞株の樹立法を確立した。さらにCa2+イメージング-システムと組み合わせることによりMH型RyR1遺伝子変異による薬物感受性の変化の有無を解析して、幾つかのRyR1遺伝子変異部位とMH病態の関連を明らかにしてMH遺伝子診断の根拠となり得る実験結果を示すと共に全身麻酔薬創薬のためのMH疾患モデル細胞となり得ることを示した。
これらの研究成果により、国内外で、MH発症に関わるRyR1遺伝子変異部位が明らかにされて術前のMH遺伝子診断の根拠となり得る研究結果を示すと共に、これらのMH型RyR1変異体を発現する細胞をMH疾患モデルとしてより安全な新たな全身麻酔薬の開発に利用することにより安全な医療行為の発展に貢献できるものと期待される。本研究課題で使用したカセット構造化した野生型とMH型RyR1変異体cDNA、並びにその発現細胞株は、国内外の研究者の要望があれば提供することができるようになった。今後は、多くの研究者が簡易に目的とするRyR1変異体の作製と発現する細胞株の樹立も可能で、新たな研究の展開も期待される。
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Showa Univ J Med Sci
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