研究課題
基盤研究(C)
スカベンジャー受容体プロモーター制御下にサイクリン依存性キナーゼ阻害因子p27kip発現を誘導したMφ特異的増殖抑制マウス(Tg群)を作成し、高脂肪食を負荷した。対象群と比しTg群では耐糖能が改善し、グルコースクランプでは、全身の糖利用率と骨格筋の糖取り込み率はTg群で有意に上昇し、肝臓での糖産生は有意に低下した。肝のインスリンシグナルはTg群で有意に増強した。肝臓の増殖MφはTg群で有意に減少し、肝の中性脂肪含有量、線維化面積は、Tg群で有意に減少した。Mφ増殖が肝および全身のインスリン抵抗性の発現やNAFLDの発症・進展に関与し、Mφ増殖制御がこれらの治療法開発に繋がる可能性を示した。
肝臓におけるNAFLD/NASHの病態を慢性炎症性疾患としてとらえ、マクロファージ特異的増殖抑制マウスを用いた検討により肝内マクロファージ増殖のNAFLD/NASHにおける病態生理学的意義を明らかにした。これらの結果から動脈硬化、糖尿病、NAFLD/NASHのマクロファージ増殖を基盤とした共通の進展機序が示された。また、マクロファージ増殖の制御が、肝臓の炎症、繊維化のみならず、メタボリックシンドロームおよびその合併症の抑制を目指した治療の標的となり得ることを明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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