研究課題
基盤研究(C)
脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンは、細胞膜上のT-カドヘリンを介して、動脈硬化の進展を抑制していることを明らかにした。また、アディポネクチンとT-カドヘリンが結合する分子機構を明らかにし、アディポネクチンは高い親和性でT-カドヘリンに結合することが分かった。アディポネクチンの多彩な臓器保護作用を一元的に説明しうるメカニズムとして、アディポネクチンがT-カドヘリンを介してエクソソーム分泌を有意に上昇させることを明らかにした。GPI-アンカー切断酵素であるGPI-PLDが、糖尿病状態で特に肝臓で上昇することを明らかにし、GPI-PLD阻害薬は新規糖尿病治療薬になりうる事を示した。
アディポネクチンがT-カドヘリンを介して動脈硬化はじめ様々な臓器に対して保護作用を発揮する機序を本研究により明らかに出来たことで、新たな治療薬の開発に繋がる可能性が導かれた。GPI-PLDは酵素であるため、その阻害薬の開発は比較的容易であり、本研究により新たな糖尿病治療展開が期待される。
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