研究課題
基盤研究(C)
脳腸ホルモン「グレリン」による放射線障害への保護効果について、マウス及び培養細胞を用いて検討した。グレリンは3GyのX線を全身照射照射したマウスの白血球数減少を有意に抑制した。赤血球数の減少も有意に抑制した。培養ヒトリンパ球にグレリンを投与すると、3GyのX線照射後24時間での血球の細胞死が有意に抑制された。グレリンによる放射線宿酔の抑制効果も推定された。3GyのX線を全身照射照射したマウスで血中グレリン濃度の一過性の上昇が確認された。放射線照射を受けた生体内ではグレリン分泌が亢進して放射線による血球障害などを抑制する可能性が示唆された。グレリンによる放射線障害の抑制効果が推定された。
脳腸ホルモン「グレリン」の分泌が、放射線障害を受けたマウスの体内で一過性に増加して、同ホルモンが放射線障害を抑制する可能性について報告した。グレリンには、各種の生体防御作用が既に報告されているが、今回のわれわれの報告で、放射線障害に対するグレリンを用いた治療の可能性が示された。グレリンには各種の誘導体(ghrelin-mimetrics)が作成されており、これらを用いた放射線障害への新たな治療戦略の可能性が、本研究を通じて示された。
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巻: 印刷中
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http://researchmap.jp/read0212158
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