研究課題
基盤研究(C)
本研究課題ではコンドロイチン硫酸合成に重要な酵素を欠損したマウス(T1KO)を作出しコンドロイチン硫酸の造血分化における役割を検討した。CRU assayを行ったところT1KOの造血幹細胞はWTへの移植実験においてWTの造血幹細胞に比し有意にCRUが低下していた。一方T1KOの造血ニッチは連続移植の系において有意に高いWTの造血幹細胞の維持作用を有していた。T1KOの造血幹細胞のRNA sequenceを行ったところ、T1KOの造血幹細胞はインターフェロンα/βシグナルの活性化を小胞体シグナルの活性化を示しており、移植後のCRUの低下に関与していると考えられた。
本研究によりコンドロイチン硫酸は造血ニッチ、造血幹細胞それぞれで造血分化に異なる作用を示すことが明らかになった。造血細胞移植時の前処置、老化によりコンドロイチン硫酸量は変化しすると考えられ、本研究の結果は糖鎖修飾による造血細胞移植後の生着促進や老化に伴う造血不全症、白血病の新しい視点からの治療法の開発につながる。
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