研究課題/領域番号 |
16K10205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
樋口 悠子 富山大学, 附属病院, 講師 (60401840)
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研究分担者 |
瀬尾 友徳 富山大学, 附属病院, 助教 (00377300)
鈴木 道雄 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40236013)
住吉 太幹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 部長 (80286062)
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研究協力者 |
瀬尾 友徳
立野 貴大
西山 志満子
水上 祐子
伊藤 博子
川﨑 康弘
パスカルマルキー ロベルト
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 精神病発症予防 / 精神薬理学 / 認知神経科学 / 神経生理学 / 精神生理学 / 統合失調症 / 精神病発症リスク状態 / 不飽和脂肪酸 / 認知機能 |
研究成果の概要 |
診断基準を満たした精神病発症リスク状態あるいは統合失調症患者を、omega-3不飽和脂肪酸投与群、非投与群に分け、脳波、認知機能を縦断的に測定した。 その結果、投与群においてPANSSで測定される陰性症状、総合精神病理尺度改善が認められた(各々p=0.003, p=0.01)。認知機能(BACS要約得点で測定)は-0.32±0.85であったのが1年後には0.16±0.85 (p=0.0005)に改善した。事象関連電位(P300)をLORETA法にて解析したところ、前頭葉を中心に有意な発生源電流密度の上昇が認められ (p=0.042)、機能・症状改善のメカニズムであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症などの精神病は早期発見・支援が重要である。精神病発症リスク状態からの治療も検討されているが、確定診断に至らない患者には抗精神病薬による治療は推奨されていない。また標準的な治療を行っても症状が残遺する統合失調症患者は多くいる。今回、統合失調症およびARMSにω3不飽和脂肪酸を用いて介入研究を行ったところ投与前後で症状や認知機能の改善が認められ、生物学的にも脳波所見として前頭葉機能の改善が得られることが見出された。未だ予備的な検討ではあるものの、ARMSを含む精神病状態の患者に対する新たな介入の可能性となり得る方法が見出されたことは患者の社会的予後を改善することに繋がり、意義深い。
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