研究課題
基盤研究(C)
本研究では統合失調症病態脳で発症初段階に脳内ミクログリアが賦活す る神経病理を解明するとともに、ミクログリアの活性化をin vivoで画像化するためのMRI技術を創出し、その統 合失調症早期診断への応用を図ることを目的とし研究を行った。ここでは、ミクログリアの活性化が、隣接する ニューロンにおけるfractalkineの代謝産物と、それによるCRXCR3受容体の賦活で生起することに着目し、 fractalkineの代謝酵素の活性化の病理と、その酵素活性を描出するプローブの創成を行った。
統合失調症は、多因子疾患であり、症候群 である。これまでに、統合失調症患者での MRI(磁気共鳴画像法)による脳構造解析の 結果、脳局所での容積変化が報告される等、統合失調 症患者で健常人との有為差が認められてい るが、個々の因子は、患者間での標準偏差 が大きく、それらを統合失調症の診断のた めの指標とすることは困難である。対して、 活性化ミクログリアの著明な増加は、未治 療の統合失調症患者の全てにおいて認めら れる現象であり、統合失調症患者と健常人 とを識別するのに極めて有用な指標である と考えられる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件)
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