研究課題/領域番号 |
16K10256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
甲斐 信行 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50301750)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ラット / 行動実験 / 意思決定 / ギャンブリング課題 / 腹側淡蒼球 / オプトジェネティックス / 依存 / 嗜癖 / GABA作動性ニューロン / Cre-loxP法 / 依存・嗜癖 / 報酬系 / 側坐核 |
研究成果の概要 |
報告者は、高リスクな目先の利益を優先する近視眼的な意思決定を好んで行うラットの薬物依存に対する脆弱性を調べるため、ラットの意思決定プロセスを評価する行動実験系を新たに開発した。さらにこの系を用いて、薬物依存に関わると考えられる腹側淡蒼球(VP)の活性化が意思決定に及ぼす影響を調べた。VPの神経細胞の非特異的な活性化は意思決定に影響を与えず、その原因としてVPで活性化される神経細胞の種類の違いにより効果が相殺されて行動が変化しなかった可能性が考えられた。一方、この系を用いた岡山理科大学、杏林大学との共同研究の予備実験で、特定の食品成分が近視眼的な意思決定を抑える働きを持つ可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
依存症の「やめようとしてもやめられない」病態は、依存や嗜癖の本質が意思決定の異常であることを示唆する。しかし意思決定の異常が依存や嗜癖を誘発する仕組みは解明されていない。報告者はこの問題に取り組むため、ヒトの意思決定プロセスの障害の評価法であるアイオワ・ギャンブリング課題を応用した新たな行動実験系をラットを用いて開発した。この実験系を用いることで、特定の実験操作により生じた食餌性の報酬呈示に関わる近視眼的な意思決定の選好と、薬物依存や行動嗜癖に対する脆弱性との間の因果関係の有無を検討することができ、依存や嗜癖の形成メカニズムに関する理解が進むことが期待される。
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