研究課題/領域番号 |
16K10413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
三澤 雅樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60358083)
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研究分担者 |
布施 拓 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (10712648)
松本 孔貴 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70510395)
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研究協力者 |
大西 健
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 増感剤 / 放射線治療 / 金ナノ粒子 / 活性酸素 / DDS / 抗体 / リポソーム / 放射線治療物理学 |
研究成果の概要 |
5-26nmの金ナノ粒子を腫瘍細胞内に取り込ませた後、放射線照射して溶媒中の酸素励起によって活性酸素を発生させる放射線増感剤を開発した。抗EGFR抗体接合リポソームにPEG修飾金ナノ粒子を内包させた複合体を調整し、HeLa、B16等のがん細胞株等に投与し、細胞集積性を確認した。放射線照射後、細胞生存率測定と核損傷および脂質過酸化の評価を行った。26nm金ナノ粒子複合体から対照群の数倍の活性酸素発生を認めるとともに、金ナノ粒子の細胞質内拡散と一部の核内移行を確認した。10MVの治療用X線照射下で、過酸化脂質とDNAのAPsite形成を認めたことから、金ナノ粒子の放射線増感が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの放射線治療増感剤には標的指向性はなく、重篤な副作用が懸念されるため、臨床応用されたものはない。本研究の金ナノ粒子複合体は、腫瘍細胞の内外で標的指向性を持ち、X線照射されたときのみ活性酸素を発生して増感効果を発現するので、副作用を軽減できる特徴がある。また、本増感剤は細胞レベルで集積するので、腫瘍部の正確な感受性制御ができるため、正常組織の温存と、取り残しを回避して再発を防ぐ効果的な治療につながる。また、遊走浸潤に関わるインテグリンや低酸素誘導因子を標的とすることで、転移防止につながる。
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