研究課題
基盤研究(C)
進行非小細胞肺癌の治療において、PD1-PD-L1経路の阻害が新たな治療選択肢の一つとなっているが、腫瘍形成における同経路の活性化の仕組みは未だ不明な点が多い。そこで、今回我々は、術前治療として放射線治療が行われた根治的手術症例において、放射線照射前及び照射後の腫瘍検体を用いて遺伝解析及び遺伝子発現解析を行うことで同経路に関わる因子の解析を行った。治療後の検体では、欠失変異・単塩基変異が増加し、発現解析では明らかな差は認められなかった。これらの結果から、再発時にも同様の解析を行うことにより、術前治療により影響を受けた残存腫瘍サブクローンの解析が重要な意義をもつ可能性が示唆された。
非小細胞肺癌の治療において、放射線治療は根治的及び対症療法的にも多く用いられる。しかし、同治療が腫瘍細胞に与える影響に関しては不明な点が多いとされていた。今回の結果から、放射線照射によるPD-L1の低下によって内因性の抗腫瘍免疫の増加が治療効果に寄与していることが推定された。また、放射線照射による腫瘍細胞遺伝子の遺伝子変異の増加によって、再発時の免疫チェックポイント阻害剤の潜在的な効果も予想される結果であった。
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