研究課題
基盤研究(C)
RalA cDNAのクラスII抗原部位からペプチドを人工合成した。ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体を用いて治療前後の胃癌患者血清中のp53抗体とRALA抗体を同時に測定した。臨床病理学的因子あるいはステージ別の陽性率にも有意差はなかった。合計317例の胃癌症例において両者は補完的であり、併用することで大幅に陽性率が上昇した。CEA/CA19-9と併用した場合の予後をみると3種がすべて陽性である場合には有意に予後不良であることがわかった。
当初計画に基づき胃癌におけるRALA抗体の臨床病理学的意義を明らかとして、予後との関連性について解析した。RALA抗体単独での陽性率は15%と高くはないが、既存のCEA/CA19-9とは独立して陽性となるため補完的な腫瘍マーカーとして有用と思われた。予後への影響は限定的ではあるが、CEA/CA19-9と併用することで、予後不良症例を選別することが可能であることが示唆された。
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