研究課題/領域番号 |
16K10547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
原 賢康 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80528860)
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研究分担者 |
志賀 一慶 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (20747282)
高橋 広城 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30381792)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大腸癌 / CAF / 血管新生 / bevacizumab / IL-6 / ERK1/2 / ERK / PlGF / 癌間質相互作用 / 癌関連線維芽細胞 |
研究成果の概要 |
がん組織における血管新生を誘発する因子は必ずしも癌細胞のみから分泌されているわけではない。本来は悪性化したわけではない宿主由来の生体組織、特に癌関連間質細胞(CAF)も癌の血管新生に一役買っている。 今回我々が明らかにしたものは、CAFから腫瘍細胞の血管新生を促進する経路としてCAF細胞の中でErkのリン酸化が大きく影響していることである。このErkのリン酸化を抑制することで、血管新生を亢進させる炎症性サイトカイン:IL-6のCAFからの分泌のみならず、CAFからの血管新生因子:VEGF産生が抑制された。Erkリン酸化を抑制したCAFは血管内皮細胞の増殖を亢進しないことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はこれまでの癌細胞に主眼を置いた研究と異なり、癌の周辺に存在する間質細胞由来の癌進展を促進する機序の解明を目的としている。癌の間質細胞のひとつ、癌関連間質細胞(CAF)からは癌細胞よりも多くの血管新生因子が放出されているとされているが、今回の我々の研究でそのCAFからの血管新生因子放出にCAFの細胞内でのErkのリン酸化が大きく影響していることが明らかとなった。Erkのリン酸化を抑制したCAFは血管内皮細胞の増殖を促進しないことが明らかとなった。今後この機序をより強力に抑制することで、癌細胞内の血管新生を更に抑えることが可能となり、現在よりも強力な化学療法となることが期待される。
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