研究課題
基盤研究(C)
脊椎靭帯及び大関節周囲部に生じる異所性骨化症は、発生部位とその病態により、四肢麻痺や関節拘縮などの原因となる。有効な予防および治療法を確立するため、本研究はその発症機構と病態形成のメカニズム解明を進めた。マウスの踵骨腱切離モデルを用いて加齢・炎症・神経障害に基づく異所性骨化発症の病態理解を進め、運動負荷に伴う骨化促進に関わる分子を同定した。培養腱細胞の実験系で、予防・治療法開発に寄与する基盤的知見を積み重ね、腱および靭帯組織由来の異所性骨化症の発症に関わると推定された活性酸素と核酸代謝産物の影響を明らかにした。
腱・靭帯から発生する異所性骨化は、様々な運動器系疾患の発症および増悪因子として重要な意味を持つ。とくに脊椎周囲に生じる靭帯骨化症は、後縦靭帯骨化症や広汎性特発性骨増殖症のような罹病率の高い運動器系難病の病態形成の根源として重要である。本研究の成果は、上記のような根源的治療法のまだない疾患に対する有効な治療法を開発するための、基盤形成としての意義をもつ。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Journal of Bone and Mineral Research
巻: 印刷中 号: 8 ページ: 1532-1543
10.1002/jbmr.3453