研究課題/領域番号 |
16K12577
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小畑 元 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (90334309)
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研究分担者 |
真塩 麻彩実 金沢大学, 物質化学系, 助教 (50789485)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パラジウム / 白金 / 人為起源 / 沿岸域 / 堆積物 / 沿岸堆積物 / 内湾 / 海水の滞留時間 / 陰イオン交換樹脂 / 海水 / 海洋科学 / 環境分析 / 白金族元素 / ICP質量分析 / 河口域 |
研究成果の概要 |
誘導結合プラズマ質量分析法を用いた海水中の微量パラジウムの分析法の開発を行った。陰イオン交換樹脂カラム濃縮法について、操作ブランク値を低下させ、回収率を向上させることに成功した。沿岸海水に適用できるパラジウムの分析法をほぼ確立することができた。一方、様々な沿岸域において海水中の白金濃度を測定した。東北沿岸域や有明海などでは、底層水中に高濃度の白金が存在することが明らかとなった。これらの白金は沿岸堆積物を起源に持ち、比較的放出されやすい形態で堆積物に存在することも示された。陸上にあった人為起源の白金が化学形態を変化させながら、沿岸域から外洋域に輸送されている過程を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白金族元素は地殻中の存在度が低く、水中で最も濃度の低い元素群である。一方、排気ガスを分解する自動車触媒など、産業では多量に使用されており、人為起源の白金族元素は水圏環境に拡がりつつあると予想される。しかし、分析が困難なため十分な観測は行われておらず、その拡がりが懸念されている。本研究では特にパラジウムの分析法の開発に取り組み、沿岸域に適用可能な分析法をほぼ確立できた。今後、沿岸域でのパラジウムの挙動解明につながると期待される。一方、これまで十分なデータが得られていなかった沿岸域における白金の分布とその循環過程を明らかにした。人為起源物質の水圏環境への移動を考える上で、重要な知見になる。
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