本研究は、研究代表者が直後や事後の調査で被災実態を把握している6地震を対象として、長期的視点に立った被災地の復興状況を明らかにしたものである。今後の被災地復興に役立つ知見を得ることを目的とした。結果によれば、兵庫県南部地震の被災地では住宅の建て替え率や建物構造・形式の変化などに地域の特性に応じた差異がみられた。伊豆半島沖地震の被災地では変化がみられなかった。南海地震の津波被災地では、多くの人々が避難した高台の神社や寺院に代わって避難タワーが指定避難場所になっていた。北海道南西沖地震の被災地である青苗では高所移転が定着していた。一方で、西海岸の小集落では住宅が消滅した地区もあった。
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