研究課題
挑戦的萌芽研究
第一に、日本と台湾の調査により危機管理体制を比較しながら災害対応標準化を進める要因を把握した。第二に、これらの調査に加えて北九州市における災害時医療連携訓練結果の分析を通じて標準化と災害対応の柔軟性の関係を調べた。この結果、日本では、避難情報発令の原因となった災害経験の多様さが標準化の進展に関係すること、日台ともに標準化は、災害対応の効果を高めると考えられているが、手順を詳細に定めることについては、柔軟性に悪影響を与えると考える担当者が少なくないことが示された。また、医療連携訓練で用いてきた図上訓練の枠組みを用い、標準化でどこまで細かく手順を定めるべきか実証的な検討が可能であることを示した。
地方自治体の災害対応の枠組みをどのように標準化するか中央政府が細かく定めている台湾に対し、日本では、標準化の程度ややり方について、地方自治体に任されている場合が多い。本研究では、複数の災害種別を経験して避難情報を出したことのある日本の自治体は、災害対応標準化の度合いが高いことが示された。これは、様々な種類の災害に統一的な枠組みで対応しようとするオールハザードアプローチに類する標準化が実務上の必要に応じて日本の自治体に取り入れられていることを示唆している。この標準化の経験を災害対応の経験が少ない自治体にも広めることは、未経験の災害を含めた対応能力を上げる上で有用と思われる。
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Safety
巻: 5 号: 3 ページ: 49-49
10.3390/safety5030049
http://chempro.env.kitakyu-u.ac.jp/~tkatou/tkato.html