研究課題/領域番号 |
16K13370
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
財政・公共経済
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮崎 毅 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (40458485)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 津波被害 / 小地域統計 / 地域の異質性 / 東日本大震災死者数 / 地方公共財 / 東日本大震災 |
研究成果の概要 |
本研究では、国勢調査の小地域データと東日本大震災の津波死者数データを用いて、小地域(町丁字単位)における社会人口動態や経済状況と津波被害の関係を分析した。また、小地域統計を用いた地域の異質性と地方公共サービス供給に関する研究も行った。分析の結果、小地域における年齢階層の異質性が高い、つまり様々な年齢階層の住民がいる地域ほど、死者数が多いことが分かった。他にも、津波浸水高が高く、津波浸水面積が広いほど死者数が多いほど死者数が多いこともわかった。また、地域の人種異質性が公共サービス供給に及ぼす影響を分析し、地域の異質性が非生産的な財と正の相関があり、生産的な財と負の相関を持つことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第1に小地域(町丁字単位)のデータを用いて地域特性と津波の人的被害の関係を明らかにした点である。同じ市町村内でも津波高や防災意識などが地域ごとに異なることため、市町村単位のデータを用いるよりも正確に津波被害とその要因を特定することができた。そのため、実際の自治体における政策形成にも役立ちうる分析となっている。第2に、津波防災の研究に経済学から新たな視点を提供した点である。本研究では、地域における年齢構成に関する異質性、居住期間や通勤方法などで測られた住民の定着度といった一種のソーシャル・キャピタル、津波避難の困難性など、指摘されてこなかった要因が震災の人的被害と関連していることもわかった。
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