研究課題/領域番号 |
16K13457
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
唐沢 穣 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90261031)
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研究分担者 |
上野 泰治 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (20748967)
浅井 暢子 京都文教大学, 総合社会学部, 准教授 (30552492)
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研究協力者 |
柳 学済
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 国民意識 / ナショナリズム / 愛国心 / 国際主義 / イデオロギー / シミュレーション / 政党支持 / システム正当化 / コミュニケーション / ナショナル・アイデンティティー |
研究成果の概要 |
日本人の国民意識(ナショナル・アイデンティティー)の構造として、「国家遺産へのコミットメント」「ナショナリズム」「愛国心」「国際主義」の因子から成ることが、複数の質問紙調査で繰り返し示された。イデオロギー的態度に関する意見評定や政党への投票意図等との関連から、特にコミットメント因子とナショナリズム因子が、保守的イデオロギー信念と正の関連を持つことが示された。この因子構造をもった仮想エージェントを用いて行なったシミュレーション結果は、エージェント間および政党からのコミュニケーションによる影響過程や政治的イデオロギー態度に国民意識が影響を与える過程を再現し例証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
調査データへの因子分析の結果は、Karasawa (2002)から長い年月と政治状況の変化を経ても、日本人の国民意識の大きな変化がないことが示した。ここで用いられたナショナル・アイデンティティー尺度については、システム正当化過程などとの関連により妥当性が示され、今後の当該分野での研究にとって有用なツールを提供できたと言える。シミュレーション研究の結果は、国民意識をめぐる個人間の相互作用や政党からのコミュニケーションといった複雑な過程をも仮想的に再現できることを示し、実証的事実に加えて研究法としても重要な貢献となった。さらに別の仮想的実験などに適用することにより知見の拡大を図ることができる。
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