研究課題/領域番号 |
16K13752
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 晃史 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (10211848)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 箙 / 変異 / クラスター代数 / 可積分系 / 低次元トポロジー / 組合せ論的データ / 分配級数 / 双対性 / 分配関数 / 三角圏 / 不変量 / 弦理論 / 安定性条件 / 幾何構造 |
研究成果の概要 |
箙(quiver)とその変異(mutation)は,近年注目を集めている.私は寺嶋郁二氏(現東北大)との共同研究で、箙変異の列に対し、次のような著しい性質を持つ分配級数を定義した。箙変異の列の反転操作や巡回シフトのもとで不変であり、圏論的なモノドロミーの不変量を与える。変異列の変形に対しペンタゴン関係式を満たす。ADE型ディンキン図形から自然に定義される分配級数は、共形場理論の指標公式に一致し、適当なqベキ補正のもとで保型形式となる。reddening sequence 箙変異列に対しては量子ダイログの積で表され、combinatorial Donaldson-Thomas 不変量を再現する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
箙(quiver)とその変異(mutation)は,クラスター代数とともに,可積分系・低次元トポロジー・表現論・代数幾何学・WKB 解析などさまざまな分野に共通して現れる構造として注目を集めている.特に,箙の変異列 (mutation sequence) とゲージ理論や3次元双曲多様体の関連が提唱され,その不変量を数学的に厳密に解析する手段の開発が必要となった.分配q級数や分配関数は組合せ論的データのみから定義され、箙が表す数学的対象の詳細には依らないので、双対性の背後にある共通の性質を追究する上で役立つと期待される。
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