研究課題/領域番号 |
16K13764
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
解析学基礎
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長田 博文 九州大学, 数理学研究院, 教授 (20177207)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 無限粒子系 / クーロンポテンシャル / 相転移現象 / 均質化 / 行列式測度 / 遠距離強相互作用 / ケプラー問題 |
研究成果の概要 |
原点から一つだけ粒子を取り除いた他は、周期的に格子点上に粒子を配置し(これらを環境粒子と呼ぶ)、別の一つのブラウン運動粒子が環境粒子系から、逆温度βかつ2次元クーロンポテンシャルで反発力を受けながら運動するときの、拡散極限を調べた。そして、この状況でβについて相転移が起こることを証明した。 厳密クーロン系の平衡分布で、今、唯一、構成されているのは、Ginibre点過程である。これは典型的な行列式測度であるが、本研究では、連続空間において、すべての行列式測度の末尾事象は自明であるということを証明した。これは従来、離散空間にのみ知られていた結果の連続空間への拡張である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
d次元空間でd次元クーロンポテンシャルによって相互作用する無限個の粒子を厳密クーロン無限粒子系とよぶ。その平衡分布は、次元 d = 2 かつ逆温度β=2の場合が、現在知られている唯一の例であり、Ginibre 点過程と呼ばれる。クーロンポテンシャルの遠方での相互作用の強烈さのために、厳密クーロン無限粒子系は、通常のギッブス点過程やポアソン点過程とは、非常に異なる様相を持つと予想される。この研究では、その例としてクーロン力で影響されるランダム環境中の粒子の均質化問題に関する有効係数についての相転移現象を証明した。
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