研究課題/領域番号 |
16K13775
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数学基礎・応用数学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 冬彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (90456161)
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研究協力者 |
杉山 太香典
伊森 晋平
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ベイズ統計 / 統計的決定理論 / 量子情報 / モンテカルロ法 / 量子計算機 / ゲートセットトモグラフィ / 量子トモグラフィ / 漸近理論 / 決定理論 / 量子決定理論 / 統計数学 / ハイパフォーマンス・コンピューティング / 量子コンピュータ |
研究成果の概要 |
本研究(挑戦的萌芽)の大きな目的は、ベイズ統計学の立場から、量子物理実験において最良な測定を求める普遍的な方法論を提案することである。その足掛かりとして量子統計的決定理論の枠組みを再考し「有限標本で望ましい測定方法を提案し、その正当化を漸近理論(近似)で示す」枠組みに拡張した。具体例として、平易なモデルで従来の測定方法より一様に推定誤差を小さくする測定方法を見つけ、その測定が簡単に実現できることも示した。 また、応用上、「現在の」実験で、数値処理に適した方法、正則化なども考える必要がある。本研究では自己整合量子トモグラフィにおけるあるクラスの正則化推定量の一致性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
例えば、非可換な2つのobservable (X, Y)の期待値を実験的にデータから推定することを考える。量子力学の教科書的には、X,Yの2種類の射影測定をN/2回ずつ行うことが自然であり、誰も疑わずに使っている。量子推定の既存研究は原理的な推定誤差の下限を達成する方法を与えているが、理想的な条件下の話であり技術的な難易度が高い。しかし、本研究成果を利用すれば4種類の射影測定でN/4回ずつ測定して、一様に推定誤差を減らせることがわかる。 このように、本研究の成果が適用できれば、現在の実験現場で理想的な条件でなくとも、無理せず推定誤差を減らす方法が提案できる。
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