研究課題/領域番号 |
16K13846
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 東京大学 (2018) 東京工業大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
竹内 一将 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50622304)
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研究協力者 |
清水 太朗
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 非線形科学 / カオス / 大自由度力学系 / 時系列解析 / 不安定性 / 電子回路 |
研究成果の概要 |
カオスは様々な非線形現象で現れるが、その重要な特徴である不安定性を大自由度実験系で計測することは、これまで基本的に不可能であった。本研究では、その萌芽的な取り組みとして、単純な相互作用の系に対象を限定し、対称性を活用して、局所的信号の時系列から系全体の不安定性指標を全て計測する手法を開発した。本手法の有効性は数値的に検証し、精度を高める方法も提案した。実験的にはカオス回路を製作し、本手法を使う際に満たすべき条件の示唆を得た。また、少ない計算量で弱い不安定性のモード抽出を目指す方法の開発も行い、有効性を示唆する結果を得た一方で、解決すべき課題も明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大自由度のカオス現象は、気象をはじめとする乱流現象、ある種の振動性媒質中の位相伝播や、諸説あるが心室細動など、様々な実例がある。しかしながら、カオス最大の特徴である不安定性を大自由度系で計測する実験手法が存在しないため、そうした現象のカオスとしての性質が理解されているとは言い難い。我々の成果は、単純な種類の大自由度カオス系で不安定性計測を実現するための1つの基礎となりうる手法の開発であり、将来、より現実的な系へ拡張するための端緒を開くものである。不安定性は、カオス系の予測や制御のため重要な性質であり、そのような研究が大自由度系で行われるための準備段階の研究成果という位置付けでもある。
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