研究課題/領域番号 |
16K13847
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中尾 裕也 東京工業大学, 工学院, 教授 (40344048)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 量子散逸系 / 非線形振動 / 位相縮約理論 / 同期現象 / 最適化 / 非線形ダイナミクス / 縮約理論 / 物性基礎論 / 量子散逸力学系 |
研究成果の概要 |
量子散逸系における非線形振動現象に対する位相縮約理論を構築した。近年のナノテクノロジーの進歩により、光-機械系やレーザー系など、量子力学的な効果が重要となるミクロな物理系の非線形振動と、その量子情報処理等への応用に興味が持たれている。古典物理系の非線形振動現象に対しては、系のダイナミクスを簡潔な位相方程式で表す手法である位相縮約理論が古くから発展しており、系の同期現象の解析に用いられてきたが、この手法は量子非線形振動現象には適用できなかった。本研究では、量子性がさほど強くない半古典的な状況に着目して量子非線形振動に対する位相縮約理論を定式化した。さらにこの理論を用いて系の同期現象を解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、量子散逸系の非線形振動現象に対して適用可能な位相縮約理論を定式化して、これを用いて量子的な非線形振動子の同期現象を解析した。さらに、この理論に基づいて、量子非線形振動子の同期の安定性を最適化する周期外力の形状を求め、実際に数値シミュレーションにより最適化した周期外力が単なる調和外力に比べより高い安定性を実現し、より速い同期状態への収束に導くことを示した。近年、ミクロな物理系に関する実験技術の発展が著しく、本研究で定式化した量子非線形振動子の同期現象の解析と制御に関する基礎理論は、将来的に量子センサーや量子情報処理などに応用できる可能性がある。
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